うつ病と自分 ①初診

まずは何を書こうか。

 

いま、自分のことについて書くとするととりあえず、うつ病のこととなる気がするので、それについて書きたい。

 

最初の投稿で「うつ病に患っている」と書いたが、そういう客体的なものではなく、それよりも深いところで自分自身につながるものになっているように感じる。

 

すべてのはじまりは、これを書いている2年前の夏。2017年になる。

 

自分は、IT企業でコンサルタントとして働いていた。現在は2度目の休職中である。顧客企業のあるシステムを刷新するために、ソフトウェアの選定や効果や問題点を整理し、抽出した問題点にたいして対応方法を検討し、スケジュールを作るというようなことをしていた。

 

年次に対して、難しいことを任されていたように思う。そのころは、別のもう少し技術的なことをやりたいという気持ちもあったのだが、周囲から期待されてそれに反発できずに、応えようとしていた。

 

会社と顧客先を行ったり来たり、社内の部署とも折衝をしたりでだいぶ心労が重なっていたようである。

 

たしか、6月ぐらいに参画したプロジェクトではあったが、7月、8月と経ていく中でだんだんと自分の体の調子がおかしくなっていくことに気づいた。

 

まず、朝起きるのが相当にしんどい。朝起きて、着替える際に最初に履く靴下が履けなくなったのが印象的に感じる。

 

次に、ミスをすることが増えたり、判断をするのに時間がかかるようになってきた。小さいながらもチームリーダーであったため、これは大変な不都合なことだった。

 

一度、リーダーを続けるのは厳しいと、上長に相談したこともあった。しかし、いろいろと励まされた挙げ句、「まあ、がんばろう」という形になった。そのときの絶望感はまだ今でも思い出せる。

 

やるにしても、体調面はどうしようもないので、「これは多分うつだな」という予想もあったこともあり、最初から心療内科に行った。

 

他の人のうつ病の体験記をみると、最初に病院にかかるときに心療内科や精神科ではなく、内科や眼科など身体的な症状を最初に訴えて、そこでは何も異変がないので、何回目かに心療内科にかかり、診断がおりるというケースがわりとあるように思う。

 

当時の自分としては、仕事から逃げたいという気持ちもどこかにあったのだと思う。そのために、心療内科に決め打ちで行ったという部分もあるようだ。もちろん、結果としてはビンゴであったためそれでよかったのだが、周りに相談してもしょうがないので藁にもすがる思いでその医者の門を叩いたようだ。

 

その医院は、会社からも家からもほど近い駅の間近にあった。そのころは、会社に近いアパートを借りて住んでいた。

 

その日は金曜日だった。朝の体調が最悪だったが、打ち合わせがあったため出社はした。もうどうしようもないと思ったため、朝、客先についてから自宅に近い医院を調べて電話をした。幸い、初診を当日受けれるとのことだったためその日の午後に予約をした。

あとでわかったことだが、その医院は通院患者は診察の予約をしないことになっている。おそらく、予約をしてその日に体調不良になった場合、それがきっかけで通院をしなくなったら困るからという面があるのだろう。また、初診はなるべく当日でも飛び入り対応しているようだ。病気の性質として、自殺の危険性があるため、最初のシグナルを逃さないためだと思う。

 

午後に通院すると、院長先生から診察を受けた。丁寧に仕事の状況や家族の病気の経歴の有無などを聞かれ、アンケート形式の簡単なテストに答える。

 

すると、「うつ状態」という診断を受けた。

 

やはりな、と思った。ただ、「うつ病」ではなく「うつ状態」とは?

 

あとで調べてわかったが、抑うつ状態は様々な精神疾患に共通した状態であり、病名をきちんと特定するためにはある程度の期間の診断が必要がとのことであった。

 

自分がうつ状態であることはわかった。そこで、医師から「じゃあ、とりあえず休もうか?いつから休める?」と聞かれる。

すぐに休むことになるとは思っていなかったので、そこで少しひるんでしまった。

 

2,3日調整することとして、翌週の水曜日から休職の旨の診断書を書いてもらった。

 

そのときの気持ちはあまり覚えていない、ただ落ち着いた雰囲気の待合室で焦燥感に駆られていたことと、診断書を書かれた驚きは覚えている。